下妻 2021/11/28 14:00 - 21:00
宇津野彩 GengoRaw (石橋友也+新倉健人)新山亜也那 横山麻衣
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Work by
1,9,10,13,17
GengoRaw (ISHIBASHI Tomoya+NIIKURA Kento)
2,6,8,15,18
UTSUNO Aya
3,5,7,14,16
NIIYAMA Ayana
4,11,12
YOKOYAMA Mai
Photo by ISHIBASHI Tomoya, UTSUNO Aya, NIIYAMA Ayana, YOKOYAMA Mai
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ルーティーンを作るのは慣れている方だから―、職場から完全リモートワークの指示が出たときもあまり気にしていなかった。起きる時間、シャワーを浴びる時間、ラジオ体操をして、珈琲の準備をして、パンを焼いて、Eテレではなかっぱ→デザインあ→ピタゴラスイッチ(ミニ)を見る。通勤時間の代わりに読書をする。8時半には仕事用のPCを開きログインをする。ほら簡単じゃないか。 ところがそんな余裕は1週間ほどで無くなった。 何の気遣いもなく出歩けていた頃は、近所でばったり友人と出会うことが多かった。シャツのカフスが変わったあの人が気になって仕方ない日もあった。偶然の出会いや小さな変化、それに対応できる弾力と洞察を鍛える/磨く/維持するために私はルーティーンを作っていた。けれども、自宅の小さな部屋に閉じ込められていると偶然の出会いや小さな変化そのものが失われてしまった。 私のこの小さな部屋を例えるなら風も波も無い凪の海のようなもの。どれだけ長く眺めていられるだろう。月が昇らない水平線はない、魚の飛び跳ねない海はない。私の生活には月や魚が足らないと気づいた。そこで、私は観葉植物を買った。 今日の最高気温は26度。初夏の陽気が訪れている。観葉植物の枝の先から色の鮮やかな茎と葉が伸びはじめて清々しい。虫が葉に止まる。いつの間にやってきたんだ、こいつ。鉢の様子をチェックするために土をいじった。気温が上がったからだろうか、少し土が乾燥している。水の量を増やそうか。変化や偶然を求めているのではなく、それに気づく自分を維持することを求めている私はこのくらいでちょうどいい。弾力と洞察、自分に言い聞かせる。 さて、手でも洗おう。
───コロナ禍に思うこと Y氏(取材:宇津野彩)
Work by
1,5,10,16,17
NIIYAMA Ayana
2,6,11,15
YOKOYAMA Mai
3,8,9,14
GengoRaw (ISHIBASHI Tomoya+NIIKURA Kento)
4,7,12,13
UTSUNO Aya
Photo by ISHIBASHI Tomoya, UTSUNO Aya, NIIYAMA Ayana, YOKOYAMA Mai