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さいたま市営別所沼公園  2020/11/08 18:30-23;00

Besshonuma park

今日は沼に行った。合成はやめにしようって話だったのにテグスを忘れて、あわてて駅近のコンビニで探した。売ってるわけない海辺じゃないんだから。埼玉は平地ばかりだと思い込んでいたけど、駅から少し離れたところで道が上り始める。緩やかなカーブを上った先、X字の交差点の鋭角地帯、赤信号の奥にぼうっと立ち現れる建物。白く埋められたクラックとどす黒い雨だれが、生暗い夜を背景に不意に立ち上がってくる。昭和初期の建築みたいで(建築に明るくないので本当の年代は分からない)古く錆び付いてはいるけれど、奇妙に風情があって、ただ強く眼に焼きついた。信号が変わる。

沼にはうなぎがいて、近くに釣具屋があるらしい。けど日曜だったし、8時を過ぎてたから、みんな薄々分かってた。凧糸があるからまあいいか。釣りエサ・岡安釣具のシャッター前を通り過ぎて、暗い道をずるずると下っていく。

さざめく水面の遠く、対岸に立ち並ぶナトリウム灯。メタセコイヤの黒い影。まあるくて小ぶりな睡蓮の葉が浮く小池には、かわいらしい小橋が掛かっている。風があまりにも気持ちよかった。どこか水辺に落羽松も植わっている。今日は、"沼"に来たはずだった。そこはおおよそ沼のイメージとは程遠く、ローマの夜景、小さな湖畔、と言っても過言じゃなくて、今日は沼って言われてじめついた暗がりをイメージしていたから、正直言うとなんか違った。みなもは曇って星は見えず、ふつりふつりと泡が立つ。黙々と走り続けるランナー。あぶくは一定の感覚で止んだり、また一斉に湧いたりしていて、水底に空気の管でも通ってるのかと思ったけれど、額に濡れた感触があった…気がした。雨かも。でも雨って……あんなにまばらに降るものかしら。一度だけ大きな波紋が揺れたから、魚かもしれない。岸から金属の棒(一説によると鯉釣り用の竿受け)が沼に突き出ている。雨が降ってきたのに、風も出てきたのに、小さなクリップで留めただけのドローイングがばたばたばたばた風に煽られていた。

毛虫がいる、と言って佐々木が茂みから飛び出してきた。ぼんやりとしたオレンジの光の中目を凝らすと、メタセコイヤの幹のそこかしこにふさふさした灰色の毛虫が這い回っている。アメリカシロヒトリといって、刺されても大丈夫らしいけど、誘蛾灯付きの殺虫壺が高いところに取り付けられているのを見るや、ぞわぞわ背中が痒くなった。

(2014年のさいたま市主催のかいぼり記録によると、ヘラブナ、マブナ、マゴイ、ニゴイ、ナマズ、カネヒラ、ハゼ、うなぎ、モツゴ、スジエビ、テナガエビ、ニシキゴイ、ブルーギル、ブラックバス、ハクレン、ソウギョ、ミシシッピアカミミガメが見つかったらしい。うなぎは4匹だけ見つかって、そのうち3匹は池に戻す前に死んだ。)

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Work by

2,6 SUZUKI Mariko

1,5 YOKOYAMA Mai

 3,4, SASAKI Narumi 

 Photo by SUZUKI Mariko, Text by YOKOYAMA Mai