雲間に月がのぞく。

樹木の表皮が苔むしてふかふかしていた。

まだ少し蒸し暑くて、蝉の声はもうしない。

めぼしい抜け殻は狩られ尽くしていた。あまりにも蚊が多い。虫除けを忘れてしまった。

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公園の真ん中に、色とりどりのコンビネーション遊具が置かれている。滑り台とクライミング遊具を繋ぐチェーンネットが、絵を掛けてくれと言わんばかりに公園の入り口を向いていた。

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昼までの雨で、砂利から染み出した泥がそこかしこに溜まっている。パムッカレみたいな形の登り台も、本物みたく水溜まりになっていた。

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背の高い原っぱのフェンス。

小学校が近いから、陽の出ているうちはたくさんの子供がここで遊ぶんだろう。

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仕事帰りの人たちが公園の細道を通り過ぎていく。近道になっているらしい。散歩途中の老人がフェンス越しにそうっと覗いて、そのまま角を曲がって行った。